「手術でホクロ除去しよう!」と決めても、自分のホクロにはどの手術が合うのかわかりませんよね。ホクロ除去は3種類あり、自分に合ったものを選択しなければいけないからです。
- レーザー
- 電気メス
- 切除
私の友人が、実際にホクロを除去したときの様子を教えてくれました。
- メスを使って切っていた
- あっという間に縫い終わった
- ホクロよりずっと大きく切り抜かれた
確認したところ、「切除」手術を受けたそうです。そこで、その取ったホクロについてさらに詳しく聞いてみました。
- 切除したホクロの位置:唇の右上
- 大きさ:1cmくらい
- ホクロの状態:イボのように大きく盛り上がっていた
彼女の場合、本当はレーザーで除去したかったそうです。
しかし、「ホクロが大きくふくらんでいるので無理」と医師に説明されたとのことです。
実は、彼女の場合と同じように、ほとんどの場合カウンセリング後に医師がホクロに合った方法を選びます。
とはいえ、何も知らないまま、医師にお任せで手術を受けるのは不安ですよね。自分に合った施術方法がわからなければ、決心もつきません。
そこでこのページでは、「レーザー」「電気メス」「切除」のそれぞれの特徴と、メリット・デメリットをご紹介します。また、あなたのホクロの状態は、どの施術をすればよいのかもわかるようになります。
それぞれの特徴を知った上で、納得し、安心して手術を受けてください。
1.レーザーで行うホクロ除去手術の特徴
まずは、レーザーによるホクロ除去の方法に関して解説させていただきます。
冒頭で述べた通り、「レーザーでホクロを取りたい」と考えていても、条件を満たさなければ選べません。
また、レーザーにもメリット・デメリットが存在するため、それぞれ解説させていただきます。
あたたのホクロの状態を見ながら、レーザーが有効かどうかも合わせて見ていきましょう。
1-1.レーザーで取れるホクロの条件
レーザーで除去できるホクロの条件は、以下の通りです。
- 直径が5mm以下
- 皮膚と同化して平らである(もしくは、大きく盛り上がっていない)
この条件に当てはまれば、レーザーで除去できる可能性が高いです。
ただし、最終的な判断は医師が行うため、まずは相談してみることが大切です。
1-2.レーザーでのホクロ除去の特徴
レーザーでのホクロ除去は、「レーザーメス」と呼ばれる医療機器を使用します。
具体的には、人工的に光を作り出し、メスとして使うことができる機器です。
水分に反応するレーザーを使用して、削るように除去したり、黒い色に反応するレーザーを使用して、ホクロの細胞のメラミン組織(お肌や髪などの色をつくっている色素)を破壊して色を薄くしたりして、除去します。
ホクロの種類や状態によって、施術方法は異なるため、医師の判断が必要です。
詳しく見ていきましょう。
1-3.レーザーの種類
ホクロ除去に使用されるレーザーは、ほぼ以下の2種類です。
- 炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)
- Qスイッチレーザー
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)
ホクロ除去で主に使用されるのは、「炭酸ガスレーザー」です。
このレーザーは、皮膚の細胞内に存在する水分に反応し、ホクロの組織を蒸散(組織に高熱をあたえ、中の水分を瞬時に沸点に到達させ、気化させて飛ばすこと)させて除去します。
レーザーを当て、焦がして「削れるように」なくなっていくのが特徴です。
炭酸ガスレーザーの場合、比較的小さなホクロに有効です。ホクロが軽く盛り上がっている程度であれば、除去できる場合があります。
Qスイッチレーザー
一方、「Qスイッチレーザー」とは、ホクロの黒い色(メラニン色素)に反応して破壊するレーザーです。色を薄くすることで、除去します。
削らないため、傷あとがほとんど残りません。
こちらも炭酸ガスレーザーと同じように、小さなホクロに有効です。炭酸ガスレーザーと同時に使用する場合もあれば、片方だけを使用することもあります。
必ず、医師に確認しましょう。
1-4.レーザーでのホクロ除去のメリット
レーザーでホクロ除去するメリットは、以下の通りです。
- 手術時間が短い
- 出血がなく、痛みも少ない
- 除去後の傷あとが目立たない
- たくさんある小さなホクロを一度に除去できる
- メスを入れられない部位(目や小鼻の周り)にも使用できる
- ホクロ以外の皮膚をほとんど傷つけずに済む
- 除去後のケアが簡単
- 除去後、すぐにメイクアップできる
これらメリットは、炭酸ガスレーザーも、Qスイッチレーザーも基本的に同じであると考えてください。
1-5.レーザーでのホクロ除去のデメリット
レーザーでホクロ除去するデメリットは、以下の通りです。
- ホクロの根が深いと、2~3回の治療が必要な場合がある
- ホクロの根が深いと、レーザーが届かず取り残しができ、再発する可能性がある
- 深く削った場合、凹みが戻らない場合がある
- Qスイッチは色が薄いホクロに反応しない
- 組織を破壊してしまうので、ホクロの病理検査ができない
これらデメリットは、炭酸ガスレーザーも、Qスイッチレーザーも基本的に同じであると考えてください。
不安なことや心配なことは、事前に医師に確認しましょう。
2.電気メスで行うホクロ除去手術の特徴
次に、電気メスによるホクロ除去の方法に関して解説させていただきます。
レーザーで除去できない場合、条件を満たすと電気メスで除去できることがあります。
また、電気メスにもメリット・デメリットが存在するため、それぞれ解説させていただきます。
あたたのホクロの状態を見ながら、電気メスが有効かどうかも合わせて見ていきましょう。
2-1.電気メスで取れるホクロの条件
電気メスで除去できるホクロの条件は、以下の通りです。
- 直径が5mm以下
- 大きく盛り上がっている
電気メス(高周波電気治療器)は、「盛り上がったホクロ」や、「レーザーでは除去できない大きさのホクロ」にも使用できます。
レーザーとの違いは、「大きく盛り上がっているホクロに有効」というところです。
2-2.電気メスでのホクロ除去の特徴
電気メスとは、外科手術の際に止血として使われる高周波電気治療器のことです。手術のとき、傷あとを電気エネルギーの熱などで固めながら進めるため、出血がありません。
レーザーよりパワーがあるので、大きく盛り上がったホクロでも、速く確実に除去できることが特徴です。
電気メスでのホクロ除去には、2通りの方法があります。
- 電気メスだけで除去する
- 普通のメスを併用する
電気メスだけで除去する
電気メスは、高周波電流の熱をホクロに直接当てて、蒸散(組織に高熱をあたえ、中の水分を瞬時に沸点に到達させ、気化させて飛ばすこと)させて除去する方法です。
普通のメスを併用する
一方、普通のメスを併用する場合です。
まず、普通のメスでホクロを切り取り、その後を電気メスの高周波電流の熱を利用して、蒸散させて除去する方法です。こちらの方が時間はかかりますが、傷あとが比較的きれいに仕上がります。
2-3.電気メスでのホクロ除去のメリット
電気メスでホクロ除去するメリットは、以下の通りです。
- レーザーではできない大きさのホクロを除去できる
- 盛り上がったホクロも除去できる
- 確実に除去できるので、一度の手術で済む
- ホクロ以外の皮膚をほとんど傷つけずに済む
- 除去後のケアが簡単
- 除去後、すぐにメイクアップできる
これらメリットは、電気メスだけでの除去と、普通のメスを併用した場合でも、基本的に同じであると考えてください。
2-4.電気メスでのホクロ除去のデメリット
電気メスでホクロ除去するデメリットは、以下の通りです。
- ホクロの根が深いと、傷あとが残る場合がある
- 熱を利用するため、底部に焦げが残ってしまう場合がある
- 厚さ1㎜もない表皮を薄く削る技術が必要なので、医師の腕に左右される
これらデメリットは、電気メスだけでの除去と、普通のメスを併用した場合でも、基本的に同じであると考えてください。
不安なことや心配なことは、事前に医師に確認しましょう。
3.切除で行うホクロ除去手術の特徴
次に、切除によるホクロ除去の方法に関して解説させていただきます。
レーザーや電気メスで除去できない場合、切除でホクロ除去することになります。
また、切除にもメリット・デメリットが存在するため、それぞれ解説させていただきます。
3-1.切除で取れるホクロの条件
切除で除去できるホクロの条件は、以下の通りです。
- 直径が6mm以上
- 大きく盛り上がっている
切除は、「大きくて、盛り上がっている」ホクロにも使用されます。
レーザーや電気メスとの違いは、「サイズが大きいホクロに有効」、「再発なし」、「病理検査に出せる」というところです。
3-2.切除でのホクロ除去の特徴
普通のメスを使用して、ホクロを切除します。大きなホクロや、盛り上がったホクロも除去できます。組織ごと切り抜くため、再発することはほとんどありません。また、切り抜いた組織を病理検査に出すこともできます。
単に「切除」といっても、2通りの方法があります。次の2パターンです。
- くりぬき法
- 切除縫合(ほうごう)法
くりぬき法
くりぬき法の場合、約5~6mm以内のホクロが対象です。
穴あけパンチのような、医療用の特殊な道具やメスを使って、ホクロを円形にくり抜きます。傷あとは縫合せず、テープ等を貼って自然にふさがるのを待つので、治るまで時間がかかります。
最近は、レーザーによる除去が主流なのでこの方法を用いることは減りました。
ただ、レーザーや電気メスのように皮膚組織が熱損傷しません。
そのため、傷あとが比較的きれいであることや、病理検査に出せるということで選ばれる場合があります。
切除縫合法
切除縫合法は、6mm以上の大きさがあり、盛り上がっているホクロに使用されます。
具体的には、ホクロの直径の3倍ほどの長さの木の葉型に切除し、最後に縫い合わせます。シワや皮膚のキメの方向などを考えて切開し縫合すると、傷あとが1本の線になるため、ほとんど目立たなくなります。
完全にホクロを除去することを目的としていますので、再発することはほとんどありません。
ホクロの組織を壊さないので、病理検査に出せます。
サイズが大きいホクロではよく行われる施術になるため、6mm以上の大きさのホクロの場合はこれに当てはまります。
3-3.切除でのホクロ除去のメリット
切除でホクロ除去するメリットは、以下の通りです。
- ホクロの細胞が深いところにあっても完全に取り除けるので、再発はまずない
- 大きくて盛り上がったホクロも除去できる
- ホクロの組織を壊さないので、病理検査に出す、ことができる
- 保険適用されることが多い
これらメリットは、くりぬき法と切除縫合法の両方とも、基本的に同じであると考えてください。
3-4.切除でのホクロ除去のデメリット
切除でホクロ除去するデメリットは、以下の通りです。
- 出血がある
- 手術時間が比較的長い
- くりぬきの場合、ふさがるまで時間がかかる
- くりぬきの場合、ホクロが大きいと凹みが残りやすい
- 切除縫合の場合、ホクロより大きい縫合線が残り、赤くなる
- 切除縫合の場合、傷あとが残るかは、医師の腕に左右される
- 切除縫合の場合、抜糸するまでのケアが大変
- 切除縫合の場合、メスを入れられない部位のホクロは除去できない
- 麻酔をしてメスで切除して縫合、というまさに外科手術といった段階を踏むので、精神的負担がある
これらデメリットは、くりぬき法と切除縫合法の両方とも、基本的に同じであると考えてください。
不安なことや心配なことは、事前に医師に確認しましょう。
まとめ
冒頭で触れた通り、どの方法でホクロ除去するかは、医師が決めることがほとんどです。
ただし、顔のホクロ除去の場合、慎重に病院と医師を選んでください。傷あとがどの程度残るか、どれくらいならあなたの許容範囲なのかが、とても重要だからです。
もし、医師に「切除の方が合っている」と言われても、相談は可能です。切って縫うことに抵抗があるとしたら、「再発してもいいからレーザーか電気メスにして欲しい」など、ご自分の気持ちを伝えましょう。
そして納得した上で、ホクロ除去することをおすすめします。